スキップしてメイン コンテンツに移動

クロンボー城(デンマーク)

デンマークを代表する世界遺産である。
狭い海峡に向けて大砲をずらりと並べ、通行税をぶんどる。

北海からバルト海に抜けるにはこの海峡を通るルートが最短だったため、船は通行税を払わざるを得なかった。
そういう目的で作られた要塞らしい。

(なんだ、やくざのぼったくりというか、みかじめ料というか、そういうものと同じじゃないか)
そんなことを思った。
この通行税がデンマーク王国の財源を一時支えていたというのだから面白い。
ぼったくりも権力の手にかかると歴史になるんだなあ。
18世紀末、ここに幽閉されていたのが国王クリスチャン7世の妻カロリーネ・マティルデである。
夫は一説によると現代でいう統合失調症を患い、かなり頭がおかしかったといわれるクリスチャン7世。そのお付きの医師だったヨハン・フレードリヒ・ストールエンセはやがて国王を操り国政を意のままに支配するようになる。王妃とも関係をもち、二人の愛人関係は公然の秘密だったという。
しかし調子に乗りすぎたストールエンセにやがて国民や関係者の反感が強まりクーデターが勃発。1772年のことだった。
王妃はクロンボー城に幽閉されストールエンセを待ち受けていたのは右手を切り落とした後で首を刎ね、遺体は四つ裂きにするという残虐な刑だった。
そういうダークな歴史もある。
とにかく背景には海峡通行税という財源があった。カネがうじゃうじゃうなっている所には問題が発生するのは今も昔も変わらない。
シェークスピアがハムレットの城のモデルにしたといわれる。その背景には通行税をめぐる権力争いがあったに違いない。
あの話も、
(なんだ、結局カネのためだったのかよ)
と思ってしまえばかなり見方が違ってくる。ハムレットがあれほど悩む必要はなかったのだ。
ところでクロンボー城を出た正面には「ハムレット」という名の特別養護老人ホームがある。
(ひょっとしてあそこでは老人たちが毎日、「生きるべきか、死ぬべきか」と悩んでいるのかなあ)
と思うとなんだか怖いものがある。







コメント

このブログの人気の投稿

地球に生まれた生き物として

宮城県の伊豆沼は渡り鳥の聖地である。 ほんとうにおびただしい数の鳥たちが今飛来していて、地球の営みとはこういうものだったのか、と見る者に教えてくれる。 久々に撮影を止めることができず見とれてしまった。 つまり、繁殖と子育てのために彼らは命をかけて渡りをしているのだと思われる。 繁殖と子育て。次世代に生命をつなぐこと。 地球上の生物にとって、それが使命というか、生きる目的ということなのだろう。 それはアマゾンやパンタナールの生き物たちを繰り返し見るうちに教えられたことだった。 日本でこのような光景を目撃でき、そのことを思い出すことになるとは思ってもみなかった。 神様はやっぱりいるような気がする。 ひるがえって我々人類はというと。 ちょっと違う方向に進みすぎているような気がするのだが。

エジプトで見つけたコインの運命

それは、発掘終了10分前のことだった。 僕の手にしていた金属探知機が反応した。 ピー、という音が鳴り響く。 何回かやっても、そこで鳴り響く。 靴のつま先で、軽く掘ってみた。 そして出てきたのがこれ。 石ではない。持ってみて、比重でそれとわかる。明らかに金属だ。 コイン、もしくはきれいな菱形をしているのでペンダントか何かかもしれない。 考古学者に見せてみた。 フランス人の彼は、そのブツをじっと見たあげく、僕の顔を見て言った。 「ムッシュー、これは発掘の正式メンバーではないあなたが見つけ、掘り出した。その上我々発掘隊の機材リストにはない金属探知機を使って見つけたものである。さらには発見した場所がエジプト政府に申請した正式な発掘現場の範囲外だ」 『はあ? 何を言ってるんだこのオヤジ……』 僕は訝しんだ。どう見てもこれは代打満塁逆転ホームラン的発見ではないか。 そして考古学者は言った。「よってこれは考古学的には何ら意味のないものである。しかしエジプトの国外に持ち出すことはできない。もし空港で見つかったらあなたはもう二度とこの国に入国できなくなるだろう」 「と、言いますと」おそるおそる僕は尋ねた。 「残念だが、捨てるしかない」 「えー!!!」頭の中が真っ白になった。 代打満塁サヨナラランニングホームランが、本塁でタッチアウトになったようなものである。 考古学者は僕からその金属を受け取ると、砂漠に向かって放り投げた。 考古学者があっさりと投げ捨てるようなものだから、たいした物ではなかったのかもしれない。でもあんまり悔しかったので、彼が放り投げる前にこうしてブツの写真を残した次第である。 僕がやはり何か「持ってる」ことは証明できたが、エジプトには負けた気がする。ショックが大きい。完敗だ。

ラオスのクリスマス

昨日…… クリスマスの朝。 ラオスの首都、ビエンチャンの朝市を訪ねてみた。 雑踏、行き交う荷車。食物を手に入れ、あるいは提供する人々のエネルギーに満ちている。  人間はものを食うためにこれほどのエネルギーを使うのだ、ということを再認識。 そう。極論すれば私たちは、ものを食うために生きている。 仏教国ラオスのこと。特にクリスマスだから混雑しているのではないそうだ。 365日の中のありふれた一日。 ヤシの木につく虫の幼虫。美味だという。 卵&虫の店。 カメムシ? いや、どうやらタガメのようだ。 余すところなく売られているチキン。 ここにブロイラーのチキンはない。 彼女は毎日ここで鶏をさばく。 余すところなく、鶏は売られてゆく。 クリスマスだからチキン、ではないらしい。 朝市は6時頃から8時頃まで。7時半にはみんな店をたたみ始める。